転職回数が多いと不利?面接で実際に聞かれたことと退職理由の伝え方

転職回数が多いと不利なのか面接で聞かれたことを解説する記事のアイキャッチ 仕事・キャリア

「転職回数が多いと、書類選考や面接で不利になるのではないか」

複数回の転職を経験すると、このような不安を感じる人もいるでしょう。

結論から言えば、転職回数の多さが選考で懸念される可能性はあります。一方で、何回なら必ず不採用になるという一律の基準があるわけでもありません。

私自身、大手企業、外資系企業、外資系スタートアップ、国内スタートアップなど、異なる環境で複数回の転職を経験してきました。面接で多かったのは、回数そのものを責める質問よりも、「前職を辞めた理由」「その前の会社を辞めた理由」を順番に確認する質問です。

この記事では、私が面接で実際に聞かれたことや、転職を重ねる中で経験した成功・失敗をもとに、退職理由を整理して伝える方法を解説します。

過去の転職回数は変えられません。大切なのは、各社をなぜ辞めたのか、そこで何を学び、次は何を求めているのかを自分の言葉で説明できる状態にすることです。

転職回数が多いと不利になる可能性はある

転職回数の多さは、企業によっては選考上の懸念材料になります。

採用する企業からすれば、時間や費用をかけて採用した人に、できるだけ長く活躍してほしいと考えるのは自然です。そのため職歴を見たときに、次のような点を気にする可能性があります。

  • 入社後、短期間で辞めないか
  • 同じ理由で退職を繰り返さないか
  • 一つの会社で十分な経験を積めているか
  • 職歴や転職理由に一貫性があるか
  • 自社の仕事内容や文化に合いそうか

ただし、「転職○回以上なら必ず不利」という線引きはできません。

dodaが採用担当者へ実施した調査では、30代の転職希望者について「転職回数は選考に影響しない」という回答が20.4%、「3回目から」が19.4%、「4回目から」が18.4%でした。採用担当者の間でも判断が分かれています。

参考:転職回数が多いと選考結果に影響がある?採用担当者の印象と選考への影響|doda

年齢、在籍期間、退職理由、応募職種、経験や実績によっても受け取られ方は変わります。回数だけを見て「もう転職できない」と決めつける必要はありませんが、「回数はまったく関係ない」と楽観視するのも適切ではありません。

面接では前職・前々職を辞めた理由を聞かれた

私の面接経験では、「転職回数が多いですね」と回数そのものを強く責められた印象はありません。

それよりも多かったのは、次のような質問です。

  • 前職を辞めた理由は何ですか
  • その前の会社を辞めた理由は何ですか
  • なぜその会社へ転職したのですか
  • 今回の転職では何を実現したいのですか

特に、国内SaaSスタートアップへ入社したときと、その会社からモビリティ系企業へ移るときには、退職理由を詳しく確認されました。

私は事実を隠さず、その転職を選んだ理由、実際に働いて分かったミスマッチ、そこから見直した転職軸を説明しました。面接官の内心までは分かりませんが、説明後のやり取りからは納得してもらえたと感じています。

少なくとも私は、これまで「転職回数が多いことが理由で不採用です」と明言された経験はありません。ただし、書類選考を含めた不採用理由がすべて開示されるわけではないため、転職回数が一度も影響しなかったと断定することもできません。

企業は退職理由から何を確認しているのか

一般的に、転職回数が多い応募者へ退職理由を聞く背景には、入社後の定着性や応募先との相性を確かめる意図があるとされています。

マイナビ転職も、転職回数が多い人に対する質問について、採用担当者は「自社でも定着せず辞めてしまうのではないか」と考える可能性があると説明しています。

参考:転職回数が多い方への面接質問と回答例|マイナビ転職

私自身も複数の面接を受ける中で、企業は退職理由を通して、次のような点を確認しているのではないかと感じました。

  • 同じ理由ですぐに辞めないか
  • 今回の会社とは合いそうか
  • 退職へ至った経緯に納得感があるか
  • 経験から何を学んだか
  • 今後の仕事で何を大切にしたいのか
  • 周囲へ責任を押しつける人ではないか

これはあくまで私の面接経験からの見解であり、すべての企業が同じ基準で判断しているという意味ではありません。

退職理由を3種類に分けて整理する

転職回数が多い場合、すべての退職理由を無理に「キャリアアップのため」と言い換えると、かえって不自然になります。

私は、自分の退職理由を次の3種類に分けて考えています。

  1. 自分では避けられなかった退職
  2. 成長や挑戦を求めた前向きな転職
  3. ネガティブな事情はあったが、次につながる学びを得た退職

ここからは、私自身の経験を例に紹介します。

1.自分では避けられなかった退職

私は、外資系スタートアップの日本市場立ち上げに営業1人目として参加しましたが、その後、その会社は日本市場から撤退しました。

本人の希望による単純な退職ではなく、事業そのものが日本からなくなるという、自分の努力だけではコントロールできない出来事でした。

このような場合は、無理に前向きな理由へ変換する必要はありません。

  • 日本市場からの撤退が決まったこと
  • 自分の意思だけで避けられる退職ではなかったこと
  • その環境でどのような役割を担ったか
  • 次の仕事で経験をどう活かしたいか

これらを事実に沿って簡潔に説明することが重要です。

2.成長や挑戦を求めた前向きな転職

外資系スタートアップへ転職したきっかけは、以前一緒に働いていた上司から「営業メンバーの1人目として一緒にやらないか」と声をかけてもらったことでした。

私は、次の点に魅力を感じました。

  • 日本市場の立ち上げに関われる
  • 営業組織の最初のメンバーになれる
  • 大きな裁量を持てる
  • 事業が成長する過程を間近で経験できる

結果として日本市場は撤退しましたが、その挑戦を選んだ理由まで間違いだったとは考えていません。スタートアップのスピード感や、自分の仕事が事業へ直接つながる面白さを実感できたからです。

面接で説明するときも、「誘われたから転職した」で終わらせず、なぜその機会を成長につながると判断したのかまで伝える必要があります。

3.ネガティブな事情はあったが学びを得た退職

私にとって、最も説明が難しかったのは国内SaaSスタートアップからの短期離職です。

入社前は、その会社の人、組織、文化、熱量に強く魅力を感じていました。一方、実際に働き始めると、自分が扱う事業領域そのものへ十分な興味を持てず、仕事へ気持ちが追いつかなくなりました。

会社や一緒に働いていた人が悪かったわけではありません。私自身が、転職先を選ぶ際に「誰と働くか」「どのような組織か」を重視するあまり、「何を扱う仕事なのか」を十分に確認できていなかったことが原因です。

働いていた当時はかなり苦しい時期でしたが、この経験から、自分の転職軸を見直すことができました。

現在は、人や文化だけでなく、次の点も確認しています。

  • 事業やサービスそのものに興味を持てるか
  • 自分の生活との接点を感じられるか
  • 自分の仕事が事業へどう影響するか見えやすいか
  • 日々の仕事に手触り感を持てるか

この失敗を経て、食品やモビリティのような、生活に近いサービスへ強く惹かれることにも気づきました。

ネガティブな退職理由を無理に隠すのではなく、自分の判断で不足していた点と、その経験から変えたことまで説明する方が、現在の転職軸を伝えやすくなります。

職歴に一貫性がないと感じる場合の考え方

複数の業界や会社を経験していると、「自分の職歴には一貫性がない」と感じることがあります。

私も、食品、モビリティ、SaaSなど、異なる事業領域で働いてきました。表面上の業界だけを並べると、まとまりがないように見えるかもしれません。

しかし仕事内容を見ると、法人営業、事業立ち上げ、事業推進、顧客支援など、共通する経験があります。

また、転職を重ねる中で、次のような自分の価値観も見えてきました。

  • 裁量の大きい環境が合っている
  • 変化とスピードのある組織に魅力を感じる
  • 自分の仕事と事業の距離が近い方が働きやすい
  • 生活に近い、手触り感のあるサービスへ興味を持ちやすい

最初から完璧な転職軸があったわけではありません。成功と失敗を重ねる中で、徐々に自分に合う条件が具体的になりました。

職歴に一貫性を持たせるとは、過去を都合よく作り替えることではありません。

各社で担当した仕事、身につけた力、繰り返し大切にしてきた価値観を振り返り、次の会社を選ぶ理由までつなげることだと考えています。

退職理由を面接で伝える5つのポイント

1.嘘の理由を作らない

すべての退職理由を、無理に「成長のため」「キャリアアップのため」と言い換える必要はありません。

事実と異なる説明は、前後の質問で矛盾が生じる可能性があります。言いにくい事情があっても、公開できる範囲で事実を整理する方が安全です。

2.会社への不満だけで終わらせない

職場環境や仕事内容への不満が退職のきっかけになることはあります。

しかし、「会社が悪かった」「上司と合わなかった」だけで終わると、応募先でも同じことが起きるのではないかと受け取られる可能性があります。

自分側で確認が足りなかった点や、改善のために取った行動も振り返ります。

3.事実と感情を分ける

たとえば私の短期離職では、「仕事がつらかった」という感情だけを伝えても、退職理由は理解されにくいでしょう。

事実としては、「人や文化を重視して入社したが、事業領域への興味を十分に確認できず、仕事とのミスマッチが生じた」と整理できます。

事実を先に伝え、そのとき何を考えたかを補足すると、話が伝わりやすくなります。

4.経験から得た学びを加える

反省の言葉だけでなく、その後の会社選びや働き方をどう変えたかまで説明します。

私の場合は、短期離職を経験したことで、転職先を見る基準に「事業やサービスへの興味」を加えました。

5.次の会社を選ぶ理由までつなげる

退職理由の説明は、過去の話だけで完結させません。

次の会社では何を重視するのか、なぜ応募先なら同じミスマッチを防げると考えたのかまでつなげます。

次の順番で整理すると話しやすくなります。

  1. 退職した事実
  2. 退職に至った理由
  3. 自分にも改善すべき点があったか
  4. その経験から学んだこと
  5. 次の会社で実現したいこと

短期離職は転職回数以上に確認される可能性がある

転職活動中、エージェントからは「転職回数が多い」「短期離職が不利になるかもしれない」と指摘されたことがあります。

短期間の退職が複数ある場合、採用担当者が「仕事を長く続けられない理由があるのではないか」と懸念する可能性があります。

参考:短期離職を繰り返すと転職の選考で不利になりますか?|doda

短期離職の事実を消すことはできません。だからこそ、次の点を説明できるようにします。

  • なぜ入社を決めたのか
  • 入社前の想定と何が違ったのか
  • 退職前に改善のため何をしたのか
  • 自分の確認不足や反省点は何か
  • 次の会社選びで何を変えたのか

短期離職を過度に正当化せず、同じ失敗を繰り返さないための変化を示すことが重要です。

37歳の現在は転職回数より次に積む経験を考えている

37歳になった現在、私は転職回数そのものを以前ほど気にしていません。

それよりも気になるのは、これからどのような経験を積むべきかという点です。

年齢が上がるにつれて、転職活動では次のような点をより求められると感じています。

  • これまでに上げた具体的な実績
  • 経験や成果の再現性
  • マネジメント経験
  • 希望年収に見合う専門性や役割

私自身、現在のキャリア上の課題として、マネジメント経験が浅いことを意識しています。

関心は「これ以上転職回数を増やして大丈夫か」から、「この先のキャリアで何を積むべきか」へ変わりました。

転職回数について説明できるようにすることは必要です。しかし、過去の回数だけを気にし続けるより、次の会社でどの経験を積み、どのような価値を提供するのかを考える方が、今後のキャリアには重要だと感じています。

退職理由を一人で整理できない場合は相談する方法もある

退職理由を一人で考えていると、会社への不満だけが強くなったり、反対に自分を責めすぎたりすることがあります。

そのような場合は、転職エージェントなどの第三者へ話し、次の要素を分けて整理する方法もあります。

  • 実際に起きた事実
  • そのとき感じたこと
  • 自分が取った行動
  • 経験から得た学び
  • 次の会社へ求めること

転職するか決めていない段階でも、相談だけで利用できる転職エージェントはあります。応募を急がず、自分の職歴や転職理由を整理する目的で使うことも選択肢です。

満22〜29歳で、転職回数や短期離職について具体的に相談したい人は、「20代の転職相談所」も選択肢です。

初めての転職や早期離職、2回目以上の転職など、状況に合わせた相談コースが用意されています。支援内容や無料会員登録の対象条件は、次の記事で整理しています。

まとめ|転職回数より退職理由と次の選択を説明できるようにする

転職回数が多いことは、企業によって選考上の懸念になる可能性があります。

一方で、回数だけで採否が決まるとも断定できません。私自身、複数回の転職を経験していますが、面接では回数そのものより、前職や前々職をなぜ辞めたのかを確認されることが多くありました。

退職理由は、次の3種類に分けると整理しやすくなります。

  • 自分では避けられなかった退職
  • 成長や挑戦を求めた前向きな転職
  • ネガティブな事情はあったが、次につながる学びを得た退職

大切なのは、過去を無理に美化することではありません。

各社をなぜ辞めたのか、そこで何を学び、同じ失敗を防ぐために何を変え、次の会社で何を実現したいのか。

この流れを、自分の言葉で説明できるように準備することが重要です。

転職回数そのものは変えられません。しかし、その経験を今後の会社選びへどう活かすかは、これから変えることができます。

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