転職エージェントとの面談を前にして、「何を聞かれるのだろう」「希望職種が決まっていないけど大丈夫?」と不安になる人もいるでしょう。
転職エージェントの面談では、一般的に次のようなことを聞かれます。
- これまでの職歴や仕事内容
- 転職を考えた理由
- 現在抱えている悩み
- 希望する業界や職種
- 年収・勤務地・働き方などの希望条件
- 転職を希望する時期
- 今後のキャリアについて
ただし、面談前にすべての答えを決める必要はありません。
転職するか、やりたい仕事、希望条件が決まっていない場合は、「まだ決まっていないこと」と「現在迷っている理由」をそのまま伝えれば大丈夫です。
面談は企業の採用面接ではありません。自分を良く見せることよりも、現在の状況を共有し、転職活動の方向性を整理することが重要です。
転職エージェントの面談は何をする場?
転職エージェントの面談は、担当するキャリアアドバイザーが利用者の経歴や希望を確認し、今後の進め方を一緒に考える場です。
企業の採用面接ではないため、志望動機や自己PRを完成させてから参加する必要はありません。
面談で話した内容をもとに、担当者が次のような対応を行います。
- 経験やスキルの整理
- 転職理由や希望条件の確認
- 求人市場や選択肢についての情報提供
- 希望に合う求人の提案
- 転職活動のスケジュール整理
ただし、面談の内容や受けられる支援は転職エージェントによって異なります。利用前に各サービスの公式サイトも確認しましょう。
転職エージェントの面談で聞かれること
これまでの職歴や仕事内容
まず、これまで働いた会社や所属部署、担当した仕事について聞かれることが一般的です。
すべてを細かく説明する必要はありませんが、次の内容を簡単に整理しておくと話しやすくなります。
- 勤務した会社と期間
- 所属部署や役割
- 担当していた仕事
- 仕事で工夫したこと
- 評価されたことや実績
- 身についた知識やスキル
実績について正確な数字を覚えていない場合は、無理に作らず、分かる範囲で伝えましょう。
転職を考えた理由
「なぜ転職を考えているのか」も確認されます。
転職理由は、面談用にきれいな言葉へ言い換えすぎる必要はありません。
例えば、次のような理由です。
- 給与を上げたい
- 残業を減らしたい
- 仕事内容を変えたい
- 会社の将来に不安がある
- 現在の職場では成長が難しい
- 人間関係や社風が合わない
現在の不満だけでなく、「次の職場では何を変えたいか」まで話せると、担当者が希望を理解しやすくなります。
現在抱えている悩み
転職活動について困っていることや、現在の仕事に感じている不安を聞かれる場合があります。
具体的には、次のような内容です。
- 転職すべきか判断できない
- 自分に向いている仕事が分からない
- やりたい仕事が見つからない
- 自分の経験が他社で通用するか不安
- 年齢や転職回数が気になる
- 初めての転職で進め方が分からない
すぐに解決策を出してもらうことだけが目的ではありません。現在の悩みを言葉にすることで、何を優先して考えるべきか整理しやすくなります。
希望する業界や職種
興味がある業界や職種、今後やってみたい仕事を聞かれることがあります。
決まっている場合は、興味を持った理由も伝えましょう。
まだ決まっていない場合は、無理に一つの職種を選ぶ必要はありません。
「営業経験を活かせる仕事を見たい」「人と関わる仕事は続けたい」「今の職種以外も含めて考えたい」など、現時点の考えを伝えれば、そこから選択肢を整理できます。
年収・勤務地・働き方などの希望条件
求人を紹介するために、次のような希望条件を確認されることがあります。
- 希望年収
- 勤務地
- 転勤の可否
- 勤務時間や残業
- 休日
- 在宅勤務の希望
- 会社の規模や社風
- 仕事内容
すべてを必須条件にすると、選択肢が狭くなる可能性があります。
希望条件は、次の3段階に分けておくと説明しやすくなります。
| 優先度 | 考え方 | 例 |
|---|---|---|
| A | 絶対に譲れない | 勤務地、最低年収 |
| B | できれば満たしたい | 在宅勤務、年間休日 |
| C | なくても検討できる | 会社規模、福利厚生 |
転職を希望する時期
「いつごろ転職したいか」も、今後の進め方を考えるために確認されます。
時期が決まっていない場合は、そのまま伝えて構いません。
例えば、次のように説明できます。
- 良い求人があれば考えたい
- まずは求人状況を知りたい
- 現在の仕事が落ち着いてから動きたい
- 転職するかどうかも含めて相談したい
転職時期を早く見せるために、実際より前倒しして伝える必要はありません。
今後のキャリアについて
将来どのような仕事をしたいか、どのような働き方を望んでいるかを聞かれる場合があります。
明確なキャリアプランがなくても問題ありません。
「管理職になりたい」のような具体的な目標だけでなく、次のような希望もキャリアを考える材料になります。
- 生活と仕事を両立したい
- 今の経験を活かして年収を上げたい
- 専門性を身につけたい
- 長く続けられる仕事を選びたい
- 人間関係の負担が少ない環境で働きたい
やりたいことがない場合は何と答える?
やりたい仕事が決まっていない場合は、無理に職種名を答える必要はありません。
次の4点を伝えると、現在の状況を整理しやすくなります。
- 今の仕事で不満に感じていること
- 次の職場では避けたいこと
- これまで苦にならなかった仕事
- 働くうえで譲れない条件
例えば、次のように伝えられます。
やりたい職種はまだ決まっていません。ただ、現在は残業が多く、今後は生活とのバランスを取りたいと考えています。人と話して調整する仕事は苦にならなかったので、その経験を活かせる選択肢を知りたいです。
このように、「分からない」で終わらせず、分かっている範囲を付け加えるのがポイントです。
次の仕事を選ぶ基準自体が決まっていない場合は、こちらの記事で整理できます。
希望職種が決まっていない場合の伝え方
希望職種が決まっていない場合は、特定の仕事を無理に選ぶのではなく、興味のある方向と避けたい方向を伝えます。
例えば、次のような答え方があります。
職種はまだ決めていませんが、これまでの顧客対応経験を活かせる仕事を中心に見たいです。一方、個人で新規開拓だけを続ける仕事は避けたいと考えています。
希望職種が決まっていないことを隠すよりも、何を基準に探しているかを共有した方が、担当者も選択肢を提案しやすくなります。
転職するか迷っている場合の伝え方
転職すると決めていない場合は、転職意思が固まっているように見せる必要はありません。
現在の気持ちと、面談で確認したいことをセットで伝えましょう。
まだ転職すると決めていません。現在の経験でどのような求人を選べるのか、今の会社に残る場合と比較するために情報を知りたいです。
転職するか迷っている理由が分かっている場合は、それも伝えます。
- 今の会社にも良い点がある
- 年収が下がることが不安
- 家族や生活への影響を確認したい
- 自分の市場価値が分からない
- 転職で現在の不満が解決するか分からない
なお、相談段階の利用可否や、相談先ごとの違いは別の記事で詳しく整理しています。第9記事では、面談時の話し方と準備に集中します。
希望年収が分からない場合はどうする?
希望年収が分からない場合は、根拠のない金額を決める必要はありません。
次の情報を伝えたうえで、求人市場の相場を聞いてみましょう。
- 現在の年収
- 最低限維持したい金額
- 残業代や賞与を含むか
- 年収と働き方のどちらを優先するか
例えば、次のように伝えられます。
希望年収の相場が分からないため、まずは現在の年収を維持できる求人を見たいです。私の経験で目指せる年収の目安も教えてください。
「高ければ高いほどよい」と伝えるよりも、現在の年収と生活上必要な金額を示した方が条件を整理しやすくなります。
面談では本音をどこまで話していい?
面談では、求人選びや今後の支援に関係することは、できる限り正確に伝えるのが基本です。
ただし、感情だけを強く伝えるのではなく、事実と希望を分けると理解してもらいやすくなります。
ネガティブな転職理由
人間関係、残業、給与への不満なども、転職先を選ぶために必要な情報です。
次の順番で説明すると整理しやすくなります。
- 現在起きている事実
- 自分で改善を試したこと
- 改善が難しいと考えた理由
- 次の職場で変えたいこと
例えば、「上司が嫌いだから辞めたい」だけではなく、次のように具体化します。
業務の優先順位が頻繁に変わり、確認しても基準が共有されない状態が続いています。部署内でも相談しましたが改善が難しく、次は役割や評価基準が明確な環境で働きたいと考えています。
面談で担当者へ話す内容と、企業の採用面接で伝える転職理由は同じ表現にする必要はありません。企業へどう説明するかは、担当者と一緒に整理できます。
他社の転職エージェントも利用している場合
ほかの転職エージェントを利用している場合は、その事実を伝えても問題ありません。
どのサービスを利用しているかまで聞かれた場合も、答えられる範囲で伝えましょう。
特に重要なのは、すでに紹介を受けた企業や応募した企業を共有することです。同じ求人への重複応募を避けるためにも、応募状況は正確に管理する必要があります。
他社の選考状況
ほかの企業へ応募している場合は、選考段階や面接予定を伝えます。
選考状況を共有すると、次のような調整に役立つ場合があります。
- 同じ企業への重複応募を避ける
- 面接日程を調整する
- 内定時期をできるだけ合わせる
- 希望する業界や企業の傾向を把握する
選考状況を隠したり、実際とは異なる内定状況を伝えたりすると、日程調整や求人紹介に影響する可能性があります。分かる範囲で正確に共有しましょう。
転職エージェントの面談前に準備すること
面談前にすべての答えを完成させる必要はありません。
最低限、次の内容をメモしておくと話しやすくなります。
| 準備すること | 確認する内容 |
|---|---|
| 職歴 | 勤務先、期間、役割、担当業務 |
| 転職を考えた理由 | 現在の不満、変えたいこと |
| 希望条件 | 譲れない条件、できれば欲しい条件 |
| 転職時期 | 決まっていない場合はその理由 |
| 質問 | 求人相場、自分の経験、進め方など |
履歴書や職務経歴書がすでにある場合は、事前に提出すると経歴を共有しやすくなります。
ただし、必要書類や提出方法はサービスによって異なります。面談案内のメールや公式サイトを確認してください。
初めての転職活動全体の流れを確認したい場合は、次の記事も参考にしてください。
面談当日の一般的な流れ
転職エージェントによって異なりますが、初回面談は一般的に次のような流れで進みます。
- 担当者と利用者の自己紹介
- サービス内容や支援範囲の説明
- 職歴や経験の確認
- 転職理由や現在の悩みの確認
- 希望条件や転職時期の確認
- 求人市場や選択肢の説明
- 今後の進め方の確認
面談方法は、対面、電話、オンラインなどサービスによって異なります。
所要時間も一律ではありません。面談案内に記載がない場合は、日程を決める際に確認しましょう。
面談は相談するだけでなく、担当者が自分の経歴を理解し、納得できる提案をしてくれるか確認する機会でもあります。
転職エージェントを利用する場合に、サービスと担当者をどのような基準で選ぶかは、次の記事で整理しています。
紹介された求人は断ってもいい?
面談を受けたことだけで、紹介された求人すべてへ応募することが決まるわけではありません。
紹介された求人は、仕事内容や条件を確認し、自分に合わない場合は担当者へ伝えましょう。
ただ断るだけでなく、理由も伝えると次の求人紹介に反映してもらいやすくなります。
紹介ありがとうございます。仕事内容は興味がありますが、勤務地が希望条件と合わないため、今回は応募を見送ります。通勤時間が○分以内の求人があれば検討したいです。
すでに企業へ応募した後や、面接日程が決まった後の辞退は、求人紹介を断る場合とは状況が異なります。できるだけ早く担当者へ連絡し、利用サービスの案内に従ってください。
よくある質問
面談は準備なしで受けても大丈夫?
準備が十分でなくても、現在分かっている範囲を伝えることはできます。
ただし、職歴、転職を考えた理由、現在の悩みを簡単にメモしておくと、限られた面談時間を使いやすくなります。
面談ではスーツを着た方がいい?
企業の採用面接ではないため、服装を選考される場ではありません。
服装の指定はサービスによって異なるため、面談案内を確認しましょう。オンライン面談の場合も、落ち着いて話せる服装と環境を用意します。
やりたいことがないと断られる?
希望職種が決まっていないことだけで、すべてのサービスから断られるとは限りません。
ただし、各サービスには対象年齢、職歴、地域、取り扱う求人などがあり、求人状況によって希望する支援を受けられない場合はあります。
やりたいことが決まっていない場合は、「避けたいこと」「得意だったこと」「譲れない条件」を伝えましょう。
転職するか決めていなくても本音を話していい?
「まだ転職すると決めていない」と正直に伝えたうえで、面談で何を確認したいかを説明しましょう。
相談段階の利用に対応しているかはサービスによって異なるため、登録前に公式サイトを確認することも大切です。
面談したら求人へ応募しないといけない?
面談と企業への応募は別の段階です。
求人を紹介された場合は内容を確認し、応募するか判断します。ただし、応募後に辞退する場合は企業との調整が発生するため、早めに担当者へ連絡しましょう。
まとめ|決まっていないこともそのまま伝えよう
転職エージェントの面談では、職歴、転職理由、希望条件、転職時期、今後のキャリアなどを聞かれることが一般的です。
ただし、すべての答えを面談前に決める必要はありません。
- やりたい仕事が決まっていない
- 希望職種が分からない
- 希望年収の相場が分からない
- 転職するか迷っている
このような場合は、「まだ決まっていない」と伝えたうえで、現在分かっていることや迷っている理由を共有しましょう。
面談前に最低限整理しておきたいのは、次の4点です。
- これまで担当した仕事
- 転職を考えた理由
- 次の職場で避けたいこと
- 面談で確認したいこと
面談内容を理解したうえで、自分の状況に合う相談先を確認したい方は、次の記事をご覧ください。






